資金調達や経営判断に欠かせない資金繰り表。
「資金繰り表って、面倒くさそう…」、「数字が苦手で…」と敬遠されがちですが、実はとてもシンプルで、経営の大きな武器になるツールです。
金融機関との関係を良くするうえでも、実務的な判断を落ち着いて行ううえでも、未来の見通しを立てられるかどうかは重要な鍵になります。
まずはシンプルに作ってみる
資金繰り表とは、将来の入金と出金を見通す一覧表のことで、月単位や日単位で現金の動きを予測し、将来のある時点でどれくらいキャッシュが残るかを見える化するためのツールです。
金融機関もこの資金繰り表を重要視しており、会社の資金繰り表を見たときに「この社長は自社のお金の動きをちゃんと把握している」、「資金ショートのリスクにも備えていそう」といった印象を持ちます
「難しそう」と思われがちな資金繰り表ですが、形式にこだわる必要はありません。
最初は、以下のような簡単な構成でも十分です。
月初残 | 入金 | 出金 | 月末残 | |
〇月 | 000円 | 000円 | 000円 | 000円 |
〇月 | 000円 | 000円 | 000円 | 000円 |
エクセルで作ってもOK、手書きでもOKです。
ポイントは、「毎月のキャッシュの残高がどう推移していくか」が自分の目でわかるようにすることです。
さらに、資金が減っていくタイミングがわかれば、「この月は仕入れが集中するから注意しよう」、「新規投資の時期を少しずらそう」、「事前に短期借入を検討しておこう」など、先回りの経営判断ができるようになります。
3つのメリット
資金繰り表を経営に取り入れることで、次のような具体的な効果が得られます。
① 金融機関との信頼関係が深まる
資金繰り表を提示しながら「このタイミングでこういう資金需要が発生します」と説明できれば、銀行は安心して融資判断を行えます。
また、将来の見通しを持っている経営者には、「万が一の時にも冷静に対応できそうだ」という信頼が生まれます。
② 経営判断がブレにくくなる
資金繰り表があると、感情や勘に頼らない判断ができるようになります。
売上が増えているからといって、必ずしも設備投資ができるとは限りません。
キャッシュが先に出ていくタイミングを把握しておけば、資金ショートを回避する判断ができます。
③ リスクを早めに察知できる
実際にキャッシュが足りなくなるのは、「売上が減ったとき」ではなく、「支払いが集中したとき」です。
資金繰り表があれば、「来月あたり厳しいかも…」という予兆を早めに察知できます。
その時点で手を打てば、倒産や支払い遅延といった致命的な事態を防ぐことができます。
まとめ
- 資金繰り表は金融機関への信頼アピールツールになる
- 未来の現金の流れを可視化することで冷静な経営判断が可能になる
- 難しく考えず、まずは入金・出金・残高をシンプルに管理するだけでOK